こけつまろびつ中国語

星期六, 六月 04, 2005

言葉が大切にするもの

昨日は Nova で、爷爷、奶奶、姥爷(外公)、姥姥といった単語を習いました。中国語を勉強し初めるとすぐに気がつくことですが、中国語は自分の親族を表わす言葉が日本 語より豊富です。日本語では区別しない父方の祖父・祖母と母方の祖父・祖母は上の通りそれぞれ爷爷・奶奶、姥爷・姥姥と区別されますし、また、おじ・おば も母方・父方の区別はもちろん、父方のおじに至っては父の兄・弟まで区別されます(母方が姨母・舅舅、父方が伯伯/叔叔・姑姑)。単語集を調べたところで は、義理の父母(配偶者の親) も呼び名が違っていて、妻側が丈母娘・丈人、夫側が公公・婆婆だそうです。

日本語でも稀に伯父(母・父の兄)と叔父(母・父の弟)をちゃんと使い分けている人もいますが、基本的に音が同じですし、結婚式の席次を書くとき以外は意識しないことの方が多いのではないでしょうか。英語に至っては自分の兄弟すら兄・弟の区別がありません。

語 彙の豊富さはその文化で大事にされてきた概念を表わすと考える人もいます。例えば、英語は集合名詞と呼ばれる「群」を表わす名詞が豊富です(pack(犬 や狼), flock(羊や鳥類), swarm(蜂など昆虫)、herd(牛、豚)、school(魚)、murder(カラス)、pride(ライオン)などなど)。これは「英国で狩猟文 化や牧畜文化が生活の中心だったからだ」というわけです(単に量詞や助数詞の代わりだ、という人も居ますが...)。アラスカに暮らす民族は雪を表わす語 彙が、日本語は雨を表わす語彙が多いことも有名ですし、日本語で一人称代名詞、二人称代名詞が豊富なことをもって、「日本の古い文化では此我の関係を意識す ることの多かったことの表われだ」と言う人もいます。

よく、中国人は親族や血縁を大切にすると言われますが、この親族に関する語彙の豊富さも、それを反映しているのかもしれませんね。